婚姻の実質的要件

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婚姻の実質的要件

婚姻の実質的成立要件とは、婚姻年齢、重婚の可否、近親婚の禁止、待婚期間など、婚姻をするにあたって各当事者が満たしていなければならない要件のことです。

婚姻の実質的成立要件の準拠法については、婚姻挙行地法主義と当事者の属人法主義の2つの考えがありますが、日本の通則法24条1項は、「各当事者の本国法による」と分配的な属人法主義によるとしています。

日本の民法では、第731条から第737までにこの要件が規定されています。このうち一方的要件とされているものについては、日本人は、原則、この要件を満たせばよいことになります。但し、双方的要件とされるものについては当事者双方の本国法が互いに適用されるます。

婚姻適齢について、日本の民法は第731条で、「男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない」と定めています。 日本の戸籍実務は、婚姻適齢を一方的要件ととらえているため、日本人はこの要件を満たしていればよいことになります。 また、婚姻の相手方男性が外国人でその本国法が例えば男性の婚姻適齢を17歳と定めており、その国でも婚姻適齢を一方的要件としている場合は、男性17歳と女性16歳の婚姻届が日本の市役所でも受け付けられることになります。

重婚の禁止について、日本の民法は第732条で、「配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない」としています。 重婚禁止規定は、双方的要件とされているため、例え相手方の本国法が重婚を許可していても、日本人はその相手方とは法的な婚姻を重ねてすることはできません。

再婚禁止期間について、日本の民法は第733条で、「女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない」としています。 再婚禁止期間の規定は、双方的要件とされているため、妻となる者が外国人でその本国法に再婚禁止期間が規定されていなくても、「前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ」法的な婚姻をすることはできません。 また、夫となる外国人の本国法で再婚禁止期間が6ヶ月以上とされている場合は、妻となる日本人配偶者もその6ヶ月以上の待婚期間を経てから出ないと婚姻はできません。

近親婚の禁止について、日本の民法は第734〜736条で定めています。 近親婚の禁止については、相手方との関係性の問題のため当然に双方的要件とされ、双方の本国法で規定している条件が累積的に適用されます。

保護者など第三者の同意について、日本の民法は第737条で「未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない」と定めています。 保護者など第三者の同意は一方的要件とされているため、婚姻の相手方外国人が19歳でその本国法で第三者の同意が要件となっていない場合は、日本の第737条を適用させて父母の同意を得る必要はありません。

愛情について、日本の民法は婚姻の実質的成立要件として特に定めていません。 よって、当事者に婚姻の意思があれば愛情にかけていても結婚も成立してしまいます。

【反致】国によっては、婚姻の実質的成立要件について、属人法主義ではなく、婚姻挙行地法主義とする国があります。 そのような国の人が日本で婚姻をする場合は、その人の本国法ではなく、日本の民法が婚姻挙行地法として実質的成立要件の判断基準となるので注意が必要です。



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法の適用に関する通則法
(婚姻の成立及び方式)
第二十四条  婚姻の成立は、各当事者につき、その本国法による。
2  婚姻の方式は、婚姻挙行地の法による。
3  前項の規定にかかわらず、当事者の一方の本国法に適合する方式は、有効とする。ただし、日本において婚姻が挙行された場合において、当事者の一方が日本人であるときは、この限りでない。
(反致)
第四十一条  当事者の本国法によるべき場合において、その国の法に従えば日本法によるべきときは、日本法による。ただし、第二十五条(第二十六条第一項及び第二十七条において準用する場合を含む。)又は第三十二条の規定により当事者の本国法によるべき場合は、この限りでない。

民法
(婚姻適齢)
第七百三十一条  男は、十八歳に、女は、十六歳にならなければ、婚姻をすることができない。
(重婚の禁止)
第七百三十二条  配偶者のある者は、重ねて婚姻をすることができない。
(再婚禁止期間)
第七百三十三条  女は、前婚の解消又は取消しの日から六箇月を経過した後でなければ、再婚をすることができない。
2  女が前婚の解消又は取消の前から懐胎していた場合には、その出産の日から、前項の規定を適用しない。
(近親者間の婚姻の禁止)
第七百三十四条  直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、この限りでない。
2  第八百十七条の九の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。
(直系姻族間の婚姻の禁止)
第七百三十五条  直系姻族の間では、婚姻をすることができない。第七百二十八条又は第八百十七条の九の規定により姻族関係が終了した後も、同様とする。
(養親子等の間の婚姻の禁止)
第七百三十六条  養子若しくはその配偶者又は養子の直系卑属若しくはその配偶者と養親又はその直系尊属との間では、第七百二十九条の規定により親族関係が終了した後でも、婚姻をすることができない。
(未成年者の婚姻についての父母の同意)
第七百三十七条  未成年の子が婚姻をするには、父母の同意を得なければならない。
2  父母の一方が同意しないときは、他の一方の同意だけで足りる。父母の一方が知れないとき、死亡したとき、又はその意思を表示することができないときも、同様とする。
(成年被後見人の婚姻)
第七百三十八条  成年被後見人が婚姻をするには、その成年後見人の同意を要しない。
(婚姻の届出)
第七百三十九条  婚姻は、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その効力を生ずる。
2  前項の届出は、当事者双方及び成年の証人二人以上が署名した書面で、又はこれらの者から口頭で、しなければならない。
(婚姻の届出の受理)
第七百四十条  婚姻の届出は、その婚姻が第七百三十一条から第七百三十七条まで及び前条第二項の規定その他の法令の規定に違反しないことを認めた後でなければ、受理することができない。
(外国に在る日本人間の婚姻の方式)
第七百四十一条  外国に在る日本人間で婚姻をしようとするときは、その国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその届出をすることができる。この場合においては、前二条の規定を準用する。

戸籍法
第四十一条  外国に在る日本人が、その国の方式に従つて、届出事件に関する証書を作らせたときは、三箇月以内にその国に駐在する日本の大使、公使又は領事にその証書の謄本を提出しなければならない。
○2  大使、公使又は領事がその国に駐在しないときは、三箇月以内に本籍地の市町村長に証書の謄本を発送しなければならない。
第七十四条  婚姻をしようとする者は、左の事項を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
一  夫婦が称する氏
二  その他法務省令で定める事項


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